岩手三陸海岸を征く 〜南三鉄・山田編〜

こんにちは、燈です。
前の日記が3月末とか信じられませんね。
例大祭とアリスオンリーはどうしたんだ…


8月9〜11日、岩手県の被災地域に行ってきました。

以前に行ったのが震災が起こった3ヶ月後、2011年の6月だったと思います。
ものすごくショックを受けて、3ヶ月間何もできなくて、ようやく動けるようになって私がやろうとしたのは、ボランティアではなく、バックパッカーとして自分の足でそこを歩き、自分の目で見て、話して、知ることでした。

そして、それから3年。
私はずっと自分の中である解答を出せずにいました。
それは「なんで生きてしまっているのか」ということ。
なんで私は震災で死ねなかったんだろう、という疑問が私の中にずっとありました。…いや、死にたいとかじゃなくて。

極端な話、私は復興とかしなくていいと思ってるのですが、そこで暮らしている人はどう思ってるのか、いま、あの、街だったところはどうなっているのか。それをもう一度確かめたい。そして、生き延びてしまっている私は一体何なのかを知りたい。

そう思って、再び彼の地に行くことにしました。


…なんて言いつつ、ゼミの後輩・トレモロちゃんを誘って行ったあたりに、そこはかとなく下心が見えます。
いや、トレモロちゃんは非常に独特というか真摯な考察をする子なので、ゼミ飲み以外でもいろいろ絡みたかったんだよほんとだよ!旅をして見聞を広めたい、と以前言ってたので誘ってみたんだよ!


何はともあれ…

行ってきました岩手三陸

前回は盛(大船渡)から陸前高田気仙沼方面に南下していきましたが、今回は逆に釜石方面に北上するルートで行きます。

東京・池袋から夜行バスに乗って盛の町まで行きます。
早朝の通り道が、ちょうど3年前に歩いた道でした。


 滅亡の色に染まっていた気仙沼は、すっかり瓦礫の除去が終わり、港には大きな船が浮かんでいました。一回部分が蹂躙されていた南気仙沼の市街は、だいたい元の形を取り戻したように見えました(駅の近くは見えなかったのでわかりませんが)

 陸前高田は、かつて街があった平地の瓦礫は概ね撤去が終わっていましたが、建物は建っていないように見えました。役場が小高い丘の上に移動していたりするのを見ると、そのほうがいいのかなぁ、なんて思いました。
落ち着いて考えてみれば、「津波が来た場所」というのは、「津波が来た場所」なんですよね。もう一度同じ津波が来たら、同じように壊されて同じように人が死ぬんです。大変な被害を受けた教訓があるのに、それでもあえて同じ場所に住もうという選択は、ありえない。
それでも「そこにまた街を作る!」「ここで生きる!」という人がいるのであれば、私はそれを心から応援したいと思います。
ただし、税金は使うべきじゃないと思うけど。

そもそも向こう数十年で撤退戦を強いられる日本経済において、地方に税金を投下するコト自体が難しいし、するべきじゃない。それでも「復興支援」をするのは「政治」故でしょう。
それはそれで仕方ないし別にいいんだけど、少なくとも、「津波の被害に遭った人を、また津波に遭いやすいところに住まわせる」ことは、正しくないことなんじゃないか、私は陸前高田を見てそう感じました。



盛駅でおにぎりを食べて、まずは山を越えて三陸駅まで向かいます。

集落の神社で休憩させてもらいつつ、坂道を進んでいきます。
(五葉神社だって!!カッコイイ!!境内にはやっぱり楓の木がありました)

途中で、黒いアゲハ蝶っぽい蝶を見かけました。
大興奮してパシャパシャ撮ってたんですが、ぶれまくってて上手く写りませんでした(´・ω・`)…



道の駅さんりく」で早めのご飯とソフトクリームをGET!


ト:北海道メロン
燈:限定☆柿


…どう考えてもメロンのほうが美味しそうだ!
ちなみに柿は多分、「干し柿」味だったんだと思う。素朴な甘さ。あと妙に食物繊維が多かった。

ここで行程と進む速度を確認。
吉里吉里の街を見たい、というトレモロちゃんの希望もあり、次の「吉浜」の駅で三陸鉄道に乗って距離を稼ぎつつ、釜石→吉里吉里→道の駅やまだで野宿という方向に予定を修正。


道の駅さんりくを出発して峠のトンネルに向かいます。
途中で蛇が出たり、服を落としたりとアクシデントがあったものの、順調に歩を進め…
しかしここで私の読み違いが発生!!


…吉浜にギリギリ間に合わない…!((((;゚Д゚))))ガクブル


少し足を早めつつトンネルを抜けると、眼下に拡がる湾に向かって線路が伸びています。駆け下りていきたいところですが、こんなところで転んで怪我してもアホらしいし、トレモロちゃんは引きこもり(燈の偏見)なので…
ぎりぎりになってから走りました(結局走ったんかい!!



二人とも汗だくの状態で吉浜駅に駆け込んだのがギリギリ3分前でした。トレモロちゃんごめんよ。先輩の言う「もう少し」ほどアテにならないものはないぜ!


三陸鉄道は一両編成ですが、中は帰省の親子連れや旅行者など、たくさんの人の笑顔があふれていました。途中の各駅の幾つかは津波に流されたり倒壊したりして、新築・修繕されていました。
やっぱり、鉄道というのは人の笑顔をつなぐ希望なんだな、と実感しました。

釜石駅からは山田線に乗りたいところですが、残念ながらまだ運行していません。釜石・宮古間は、現在、代替交通としてバスが運行している状態です。

発車まで少し時間があったので少し周りを見てみると、なんとホームにSL銀河鉄道があるじゃないですか!!!
慌てて駆け寄り、車庫入れの様子を見せていただきました。
SLが動いてるとこなんて久しぶりに見たわ…!!


15時過ぎに吉里吉里に着くと、ぱらぱらと雨が降ってきました。
というか、日本列島に台風が直撃していたのに、ここまで降ってなかったんですよ。適度に曇って超過ごしやすかった。



吉里吉里は言わずと知れたエロゲエンジン…じゃなくて、小説の舞台ですね。
駅舎の影に荷物をおいて、浜辺の町をうろつこうとしたら、偶然、復興ミニイベントの会場に遭遇!!新発売の「わかめカレー」をごちそうになったり、FM岩手のお姉さんにホタテ(でかい)をごちそうになったりと、大変お世話になりました(もちろんその後コメントを求められたが…)。

なんか、東京から来た夫婦という扱いになってたけど、付き合ってすらいませんでしたすみません。
とにかく東北の海の幸(゚д゚)ウマー
そして地域の皆さんいろいろお話いただいてありがとうございます。
この町も沿岸部の倒壊した地域の片付けは概ね終わってたけど、新築はされてないみたい。ほんと永遠の課題ってかんじですね。


再びバスに乗って、道の駅やまだを目指します。
しかし嗚呼、熱帯低気圧よ。
無慈悲にも強まる雨風!!


道の駅やまだは、ちょおおおおおおおおっと野宿にはキツイ状態になっていました。


ぶっちゃけ私一人なら完全防御すればそりゃあ寝れるっちゃ寝れるけど、下心的にトレモロちゃん一人で宮古まで行ってもらってもつまんないし、迷った挙句、二人とも宮古の町で宿を取ることにしました。


…え、いい年した男女がそれで大丈夫なのかって?
何を隠そう、私は国家資格持ちの「鋼の草食紳士」ですし。夏コミを目前にして、その心揺るがぬこと山のごとしです。



結局、同じ宿をとって、近所の酒屋さんで地酒・つまみを買い込んで、夜遅くまで語り明かしたのでありました。



え、いい感じに飲んだ後どうしたのかって?
 その後、むちゃくちゃ睡眠した。